五味子と陶芸の里・聞慶&ソウル4日間(2024年9月)
伝統・自然・昔が息づく 聞慶
聞慶(ムンギョン)は、安東近くの慶尚北道にあります。釜山と都を結ぶ位置に当たり、李氏朝鮮時代には国防上も主要な峠道「聞慶セジェ」で広く知られた場所で、文化遺跡が残る伝統的な都市です。
朝鮮王朝初期から陶磁器(粉青沙器)の陶窯地としても名を馳せ、金属製の食器(鍮器)や伝統韓紙、また伝統茶で有名な五味子(オミジャ)の特産地でもあります。
昔の峠道を辿る「聞慶セジェ道立公園」
「セジェ」という名前は、「鳥(セ)も飛んで越えるのが難しい峠(ジェ)」という意味に由来すると言われています。険しいとはいっても標高は1000mほど。都と釜山を結ぶ位置に当たるため、軍事的に重要な地でした。李氏朝鮮時代には外敵の侵入を防ぐため関門と城壁が築かれました。
峠道には、第1関門である「主屹閣」、第2関門である「鳥谷閣」、峠の頂上付近に第3関門の「鳥嶺閣」が作られています(第1関門~第3関門まで往復13km。平均所要時間5時間)。道立公園として周囲の自然は保護され、峠道の途中にも数々の滝や、昔の宿場などもあり、自然景観も楽しみながら歩けるトレッキングコースとなっています。
朝鮮時代の本格的セット「聞慶セジェオープンセット場」
第1関門と第2関門の間には、時代劇のセット場が創られています。セットとはいえ、70,000㎡の敷地に光化門、景福宮、東宮、書雲観、両班家など103棟と、既存の草家22棟と瓦ぶき屋根5棟を合わせて130棟のセットがある本格的なものです。
5月にはこの場所で陶磁器祭りも行われます。
粉青沙器の本場「陶磁器博物館」
高麗時代の末期、国力の衰退に伴い、コストや手間暇のかかる高麗青磁に変わり、朝鮮白磁が登場するまで、よく作られていたのが粉青沙器。日本で言う「三島」です。聞慶は、この粉青沙器が盛んに製作されていた場所で、陶磁器博物館には、聞慶一帯で出土した作品から、現代に至る名匠(沙器匠)の作品まで展示されています。隣接する体験場では、作った陶磁器を巻きで焼いてくれる体験教室(1回2時間)も行われています。
沙器匠たちの窯元を見学
聞慶には粉青沙器の伝統的な技術を受け継ぎながら、「沙器匠」と呼ばれる名匠たちの窯元も多くあります。写真は、陶磁器の買い付けツアーで、千漢鳳先生、慶煕先生の聞慶窯を訪問した時のもの。特別に釡出しの時に立ち会わせていただけました。陶芸家にとっては神聖かつ緊張の一瞬であるために、通常は一般公開されません。
聞慶の沙器匠たちの粉青沙器は、評価も高く、高値で販売されている作品です。聞慶窯の隣には聞慶美術館があり、作品鑑賞ができます。
毒を見分けるバンチャ鍮器
陶磁器に並んで、価値ある伝統工芸品が方字鍮器(バンチャユギ)。韓国の歴史ドラマの中でも、よく見かける金属製の器です。鍮器は、銅78%と錫22%の割合で作られた合金で作られ、人体に無害なばかりではなく、殺菌効果や保温性にも優れています。また、農薬や毒物に反応して変色するため、昔より重宝されてきた食器です。
聞慶には、65年に渡り鍮器を作ってきた李鳳周氏の工房があります。鍮器の二大生産地といえば、京畿道の安城と、現在では北朝鮮領になる平安北道の納清なのですが、朝鮮戦争勃発時、この納清から南へと逃れてきた鍮器匠の技術を受け継いでいるのが李鳳周氏で、無形文化財第77号の鍮器匠としても認定されています。
また、大邱には氏の作品や寄贈品を集めた大邱方字鍮器博物館も建てられています。
五味子の里の五味子ワイン
韓国伝統茶の一つとして有名な五味子茶(オミジャチャ)。聞慶は、その五味子の実の生産地としても有名で、全国五味子生産量の45%を占めており、品質の良さで評判です。毎年、秋の収穫後には五味子祭りも開催されています。
五味子のベースは酸味ですが、その名の通り、甘み、苦味、塩味、辛味の五つの味があり、体調を測ったり、粘膜の働きを整えたり、実際に漢方の生薬として用いられてもいます。
五味子ワインの「オミナラ」
五味子は、シロップ漬けや乾燥させた実を水に煎じて五味子茶にしたり、あるいは五味子マッコリにして飲まれていますが、ちょっと珍しいのが五味子ワイン。聞慶のワイナリー「オミナラ」の李鐘玘氏は、五味子からスパークリングワインを精製することに成功。工場見学や試飲、瓶詰体験などもできます。
無農薬野菜で美味しい聞慶の山菜ビビンバ
聞慶では無農薬栽培または有機農法も盛んな土地柄です。無農薬でリンゴ栽培を成功させた日本の木村秋則さんも技術を伝授、聞慶市の栄誉市民にもなっています。その聞慶の山菜ビビンバは、また格別。無農薬野菜で作られた山菜ビビンバは、健康にいいだけではなく、味も評判です。
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おすすめモデルコース ソウル・聞慶の旅
観光、食事場所等は、ご希望に応じてアレンジいたします。
日次 | スケジュール | |
1 | 【午前】成田空港より空路、ソウル・仁川空港へ。 仁川空港到着後、ガイドと合流。専用車にて、ソウル市内へ。 【午後】朝鮮王朝時代の正宮「景福宮」(火曜休館)など。 【夕刻】夕食には、本場韓国のキムチチゲを。 |
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ご宿泊 | コリアナホテルなど(4つ星) 《ソウル泊》 | |
食 事 | (機内食) 昼 : × 夕: ○ | |
2 | 【午前】ホテルを出発。朝食にあわび粥を。 専用車にて聞慶へ(約3時間)。 【午後】昼食には、聞慶の山菜ビビンバを。 陶磁器博物館と窯元の見学。 夕食は、聞慶特産、特殊な薬石(ペグマダイト)を飼料に加えて育てられた薬石豚の焼肉・豚三枚肉(サムギョプサル)を。 |
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ご宿泊 | STXリゾート(コンドミニアム) 《聞慶泊》 | |
食 事 | 朝: ○ 昼 :○ 夕: ○ | |
3 | 【午前】朝食は韓国式朝食を。 李鳳周氏の方字鍮器工房見学。 聞慶セジェ道立公園(第1関門~第2関門またはセット場の観光)、古道博物館を観光。 昼食は現地の郷土料理をお召し上がり下さい。 聞慶名物「オミジャワイン」の工場見学。 観光後、ソウルへ。 【夕刻】夕食にはワタリガニの鍋コッケタンを |
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ご宿泊 | コリアナホテルなど(4つ星) 《ソウル泊》 | |
食 事 | 朝:○ 昼 :○ 夕: ○ | |
4 | 【午前】 朝食はソルロンタン。 北村韓屋村、仁寺洞、南大門市場など 【午後】 昼食は、南大門市場にて自由に(現地払い)。 観光終了後、仁川空港へ。 仁川空港より、成田空港へ。 |
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食 事 | 朝: ○ 昼 :× (機内食) |
お見積いたしますので、お問い合わせください。