ビエンナーレ・韓国陶磁器の旅

2011年10月利川・ソウル4日間  ご夫婦 (横浜市)

世界陶磁ビエンナーレ・韓国陶磁器の旅 

利川陶芸村 陶磁ビエンナーレ  2011年9月24日~10月23日まで韓国京畿道で開かれた「世界陶磁ビエンナーレ」の期間中に、ご夫婦お二人で、韓国陶芸の街 利川、広州、驪州と周ってこられたお客様からのレポートです。
 こちらで企画した内容以上!?に、陶磁器の旅を満喫いただけたようです。沢山のお写真とともに作品についても、詳しく教えてくれました。

ご帰国後、お客様から

無事帰りました。
天候にも恵まれ、とても素晴らしい旅になりました。ありがとうございます。
細かなこと申し上げればいろいろありますが、とてもよい体験ができました。

■1日目 利川陶芸村、窯元巡り

利川の窯元 恒山陶芸にて 初日、恒山陶芸研究所では、恒山先生が窯炊きの最中にもかかわらず、昨年東京の韓国文化院で開催した展示会のカタログに我々の訪問を記したサインを墨書きでしてくださいました。
 とても大切な宝になりそうです。

 韓国陶窯、恒山陶芸、韓青陶芸を巡ったあと、こちらの希望で青坡窯 (チョンバヨ。李殷九(イ オンク)氏の主宰する粉青中心の窯)へ回っていただきました。場所は利川陶芸村の奥の方。残念ながら人が誰もいなくて、見ることができませんでした。

利川陶芸村 その後、時間をとってもらって、陶芸村内を散策し、いくつか若手の作家作品を購入しました。
 ビエンナーレ目的でなければ、ここをもっとゆっくり見たいなと思いました。
利川陶芸村のお店 陶芸村のLee Moo-Ar 氏の店(写真左)。
 氏は多摩美大を卒業した1963年生れの中堅作家のようです。店番をされていたのは奥さんです。夏に開いた展示会のハガキに記された文から川喜田半泥子を尊敬していることが伺われます。青磁の湯飲みを1個買いました(写真下左)。

利川で購入した青磁利川陶芸村のお店購入した陶磁器

青坡窯 李殷九氏の作品 利川のホテル、ミランダのロビーに飾られた青坡窯の李殷九氏の作品。会えなかったのが残念。

■2日目 広州会場、利川会場

ビエンナーレ広州会場  翌日、まずは広州会場へ。
 10時会場のところ、9時半のつもりで着いてしまい、会場外でしばらく野外作品 などを鑑賞。10時からボランティア・スタッフの日本語解説で展示を見ました。

2007ビエンナーレ横断幕 広州会場内の横断幕。ビエンナーレ各年の受賞者の作品がこうして顕彰されています。
 写真は前々回2007年のものですが、銀賞を獲得した岐阜の青木良太の名前が見えます。(上段左から5番目。青木良太はご存知でしょうか。一昨年、TBS系テレビ番組「情熱大陸」でも取り上げられた「いま流行り」の陶芸作家です。)

韓中陶芸展の作品 広州会場の「韓中陶磁芸術交流展」から。李康孝氏の作品。
 「天」と題された一連の粉青の皿の作品のひとつ。シリーズ作品が底面に置かれるのではなく、壁面に横に並べて貼り付けられていました。この展示はとても興味深く見ました。中国の作家のものは「さすが本場の」と思わせ、ため息が出そうな作品もありました。 敢えて一言でいうと「凝って」いる作品が多かったです。

 それに比べ、韓国の作品は技術で人をあっと言わせるようなものは少ないのですが、伝統との葛藤の中から新しいものを作ろうとする意欲と苦悩のようなものが感じられました。
 伝統を我がものとして現代的な試みに挑戦しようとする中堅以降の作家のものを見ていると、白磁の作家のほうが現代に適応しやすいように感じました。
 粉青はいくらでも現代的になれる器なので比較になりませんが。青磁作家は現代的な器を創造するのが、白磁作家にくらべて格段に難しいと感じました。

 昼食後、海剛高麗青磁研究所の展示室(美術館は休館中)へ。海剛親子の作品は高価で手が出ません。

ビエンナーレ国際公募展グランプリ それから利川会場へ。
 写真左は、ビエンナーレ国際公募展でグランプリを取ったYamada Tetsuya氏の受賞作品「Heavenly Thought」
 これらを写していて感心したのは、韓国では国立中央博物館を含めてどこでもフラッシュを焚かなければ写真を自由に撮れる、ということです。これはとても素晴らしいことです。
 国際公募展は山田氏のものを含めてオブジェ風のものが多く、さらっと流して見学しました。


Magari Kazuma氏の白磁Wada Akira氏の白磁Lut Laleman氏の白磁
 これらの作品を見ても白磁の現代的な可能性が他のジャンルに比べて格別に高いことがわかります。

■3日目 驪州(ヨジュ)会場~ソウルへ

 セラミックライフ展・テーブルウェア展等を見学ののち、販売ブースで買い物を 楽しみました。
 展示は韓国の若手作家の感性を感じ取ることができて面白かったです。
驪州会場の陶磁器作品驪州会場での陶芸作品

購入した急須 驪州会場の販売場では、急須をはじめ、いくつか買い物をして楽しみました。
 今回の最大の収穫と思っている購入作品です。12万ウォンのものを10万ウォンにまけてもらいました。崔旻禄という若い作家の作品です。
 悩んだ末買わずに帰ってきて今後悔しているものもいくつかありました。

 昼食後、ソウルへ向けて出発。金曜日でしたのでガイドの判断で早めに驪州を発ちました。
 ソウルでは免税店で買物ののち、南大門、明洞等を散策。それから、こちらの希望でロッテ・ホテルの地下の「陶遊」という店に連れていってもらいました。
 その後、江南へ行って夕飯。夕飯後ホテルへ向かうときにひどい渋滞に巻き込まれました。

■4日目 ソウル

中央博物館所蔵の白磁 国立中央博物館を午前中、仁寺洞を午後、訪問しました。
 国立博物館では入場無料※、写真撮影可(ただしフラッシュは不可)ということに感心しました。(旅行中どこの会場でも写真撮影については同じでした)
※注 常設展は無料ですが、特別企画展では一部有料になる場合があります。

仁寺洞の陶芸ショップ 写真左は、仁寺洞に店を出しておられる李世容先生。後方は若く美しい奥方。先述した韓中展にも出品されていた作家さん。
 染付の蓋付き小瓶を購入しました。
 仁寺洞にはもっといろいろな店があると期待していたのですが、少し期待はずれでした(陶磁器に関しては)。それでもいくつか気に入ったものを購入しました。買わずに後悔したものもいつも通りです。

■最後に…

 以上、簡単に報告させていただいたつもりですが、長々とお付き合いありがとうございました。
 やはりこの手の旅は1週間くらいかけないと満足できないですね。でも、とてもよかったです。女房も満足しています。にこまるさんには、とても感謝しております。

にこまるのコメント

 沢山のお写真と詳しい解説まで、本当にありがとうございます。
 ご旅行が本当に楽しく満足されたことが伝わってきて、大変うれしく思います。
 韓国専門と言えども、陶磁器専門までにはなれないのですが、いろいろとお教えいただき、こちらも勉強になりました。見る人が見ると、楽しみが違うのでしょうね。
 次回はぜひ1週間かけて、行ってください(笑)。本当にありがとうございました。  

今回のコース 利川・ソウル4日間

※陶磁ビエンナーレは2年に1度ですが、各会場では常設展、企画展が行われおり、常時、手配可能です。
  スケジュール
1 【午前】 羽田空港より、ソウル・金浦空港へ。
【午後】 金浦空港到着後、ガイドと合流。専用車にて、利川へ。
 利川の窯元を見学(青磁と白磁、それぞれの窯元へ)。
  ・韓国陶窯(青磁・粉青沙器) ・恒山陶芸研究所(白磁) ※予定
 夕食には、人気店「青木」にて、米どころ利川の郷土定食を。
ご宿泊 利川ミランダホテル 《利川泊》
食 事 (機内食) 昼 : ×  夕: ○
2 【終日】朝食はホテルにて。世界陶磁ビエンナーレ見学。
 広州会場「京畿陶磁器博物館」へ。韓中陶磁作品展 など
 利川会場「利川世界陶磁センター(セラピア)」の見学。国際公募展など
 時間が余れば、利川陶芸村の他の窯元を見学。
 近代青磁の本家 海剛氏の窯元(海剛陶磁美術館は閉鎖中。製作現場の見学は不可。初代・二代目 海剛氏の作品展示販売のみ)など
 昼食には、参鶏湯、純豆腐チゲ、味噌チゲなどの韓国的ランチで。
 夕食には、カムジャタン(豚背骨とじゃがいも鍋)を。
ご宿泊 利川ミランダホテル 《利川泊》
食 事 朝: ○ 昼 :○ 夕: ○
3 【終日】朝食はホテルにて。
 世界陶磁ビエンナーレ見学。
 驪州(ヨジュ)会場「驪州ドジャセサン(陶磁の里)」を見学。
 ・セラミックスライフ(陶磁作品による現代的な空間演出)展など
 ・驪州陶磁ショッピングモール
  (量産陶磁器から、現代的作品、伝統的作品が揃っています。)
 昼食には、参鶏湯、純豆腐チゲ、味噌チゲなどの韓国的ランチで。
 驪州見学後、ソウルへ向けて出発。夕食には、ふぐ鍋を。
ご宿泊 ラマダソウル (江南)  《ソウル泊》
食 事 朝: ○ 昼: ○ 夕: ○
4 【午前】 朝食には、ソルロンタン(牛骨の白濁スープ定食)を。
 ソウルにて、高麗、朝鮮時代の陶磁器も多数展示されている国立中央博物館を見学。
 昼食には、宮廷伝統ビビンバまたは石焼ビビンバなど。
【午後】 仁寺洞をしばらく自由に散策。
 韓国食料品店に立ち寄り後、金浦空港へ。
【夜】 金浦空港より、羽田空港へ。羽田空港着。
食 事 朝: ○ 昼 ○ (機内食)
※料金は、ご人数、時期、食事内容、ホテルランク、為替レートなどにより変わります。
 お見積いたしますので、お問い合わせください。

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